第48話

「それは、いつの話ですか?小学生が殺すことなんて無理でしょう。今は、できますから。それに、表の人に教えられる情報は限られます」



人なんて殺してない。


嘘だ。



「………………そんなの聞いてねぇ」



「もう、いいですか?」



「………………最近、忙しいのか?今日の電話も仕事のことだろ?大丈夫か?本当にご飯食べてるのか?」



「……………………もう、いいですか?私は、これで失礼します」



「おい!!凛!まだ、話は終わっていない!」



私は、素早く部屋から出た。


いったい、なんなんだ。


最近、兄がうるさい。


高校に入ってからかな?


私生活の注意が多い。




自分の部屋に戻り周りを見た。


……………………。


片付けしないと。


いらないものは全て捨てる。


いや、もうここにあるのがいらない。


このままでもいいのかも。


全部、全部………………………


そう考えると、自分の部屋なのに自分の部屋じゃないみたい。


この家具の配置も千那がした。


小物も千那が選んだ。


この部屋は、千那の部屋みたい。


本当に、この家には私の居場所はないんだな。


いったい、なぜ私は生まれてきたのだろう。


それは、マスターが教えてくれるのだろうか?



月明かりが、室内を照らす。


その光は、今の私にとって十分な輝きだった。

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