第46話

「私、分かりますか?分かるようになりますか?本当に、そう思いますか?……………………これで、いいですか?」



「あぁ。分かるさ。大丈夫だ。これでいい」



マスターを見ると、楽しそうに先輩方とお酒を飲んでいた。



幸せ……………………



私が、一番分からないもの。


マスターといたら、分かるものなの?


その日の騒ぎは、夜の12時まで続いた。


もちろん、帰りはマスターに送ってもらう。



「マスター?」



「ん?」



「飲酒運転」



「大丈夫。8時から飲んでないし」



「でも、飲んだ」



「そういうところは、きっちりしてるんだから。明日、学校の帰りに来てくれるかな?喫茶店に」



「うん」



「よろしくね?」



いつもの場所で車は止まってくれた。



「おやすみ。凛ちゃん」



「おやすみなさい」



車から降りて家に向かって歩き出す。


門が見えてくると、使用人が立っていることが分かった。


それを、無視して敷地の中に入る。


後ろからは、慌ただしい足音。



「お嬢様。お待ちください!」

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