第45話

「そうだね。約束したね。覚えてたんだ?あの時の凛ちゃんは、無口だったから。しっかり、聞いていたのか微妙だったから」



「……………………マスターは私を連れて行く気満々。たくさんの人達を集めてるし。それに、私の裏の仕事。最近ないのはマスターの所為?逃げ場がないって感じ」



「……………………分かってるじゃん。凜ちゃんは、前を見てるだけでいいよ。解決だね?というか、それしか受け付けません。じゃぁ、みんなで乾杯!!」



嫌ではない。


多分。


だが、本当にそれでいいのかな?


でも、この人から逃げられる?


……………………。


答えはNOだ。


この人には、絶対に敵わない。


だって、私の仕事を止めてしまった人だ。


それに、ここにいる人達はみんな【それ】関係者だろう。


敵になんてできない。



だが。



本当に。



消えても。



いいのかな?



いくら、考えても今の私には無理なんだ。


だって、感情が欠落してるから。


どれが、正しいのか見つけられない。


流れに身を任せるしかないのだ。


それしか、知らないから……………………












それから、本当のどんちゃん騒ぎが始まった。


夕食は、お子様ランチみたいなものだった。


みんなに、頭を撫でられ髪はぐちゃぐちゃだ。



「凛。お前は、幸せになるな。誠也に会って良かったな」



悟さんが、また私の頭を撫でながら言った。



「なぜ、幸せだと?」



「誠也だからだ。凛と同じなんだよ」



「私と?」



「そっ」



「よく分かりません」



「そのうち分かる」

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