第43話

「鳥籠?」



「うん。凛ちゃんは、飛べることができない鳥だ。すっかり、洗脳されてる。家を出てみない?今の獅堂家にとって、自分は必要とされてる?されていないなら、新しいことを見てみない?躊躇うことはしなくていい。俺と一緒にいることに抵抗がないなら来なよ。楽しいっていうこと教えてあげるよ。感情だって、愛情だってあげられる」



急に、引っ張られマスターの腕の中へと抱きしめられた



「一生、獅堂家の言いなりになるのか。俺達と、新たな道を進むのか。凛ちゃんの、人生だ。親の言いなりにならなくていい。凛ちゃんは、欠陥だから分からないだろうけど。今の現状は、酷いってことは確かだよ……………………人間の扱いをされていないってこと。親からも。親戚からも。ただの、道具扱いだ。凛ちゃんは道具じゃないでしょう?生きた人間なんだよ。あんな奴らの道具となるより俺達と一緒に過ごしたほうが絶対いい」




……………………。





いつの間にか、周りは静かになっていた。


みんな、私とマスターを見ている。



「マスター……………………………私は、裏にいなくてもいいの?獅堂家を、守ることも?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る