第38話

「なぜ、それを?マスターから聞いたんですか?」



「……………………………目が鋭くなったな。誠也は、何も言ってねぇよ。あいつは、気に入った子がいるって言っただけだ。俺達は、汚い部分を知ってる。凛ちゃんの、オーラと目つき。表情の欠陥。あとは、仕草。常に背後を気にしてるだろ?あと、話していても周りの注意を忘れてねぇ。裏の特徴も当てはまるし。凛ちゃんは、裏の人間だ。当たりだよな?」



驚きだ。


マスター並に洞察力がある。


本当に、マスターの先輩方は不思議だ。



「……………………さすがですね。確かに、裏の仕事をしていますよ」



「やっぱりな。教えられたんだろ?感情の欠陥。感情はいらないものだって」



「はい」



「こりゃぁ、誠也も気に入るはずだ。あんな場所にいても、目が死んでねぇ。まだ、いるんだねぇ。こんな子が。時代の流れで、腐った奴らが多くなったが。嬉しいことだ。まだ、輝きがある奴らがいるってことは。なぁ?博。お前なら、特にそう思うだろ?」

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