第31話

無言で朝ご飯を食べてると、いつの間にかマスターがいなくなっていた。




少し経つとマスターがエプロンを持ってきた。



「はい。エプロンだよ」



そのエプロンをもらって着ると、生クリームの素を渡された。


あとは、泡だて器だ。



「よろしくね」



……………………………。



機械じゃないんだ。


手動なんだ。


何分かかるのかな?


マスターはスポンジ作りを始めるのか、生地の材料を取り出していた。



4時には来るから、それまでには全て完成させないと。


間に合うのかな?


料理はこれだけじゃないのに。



だが、そんな心配はいらなかったみたいだ。


マスターは、手慣れた感じで次々料理を完成させていく。


昼食も食べて、また作業に取り掛かる。


そういえば、三食食べるなんて珍しいかも。


何年振りかしら?



「凛ちゃん!そこの、じゃがいも取って」



「うん」



ピザを作るみたいでチーズがたくさんある。


何人来るの?


狭い場所なのに、いっぱいは無理。


マスターの先輩方ってどんな人達なのかな?


変わっている人かな?






4時ちょっと前になると、約束通り人がチラホラ来店してきた。


その人達は、マスターと同じ香りがした。


なんだか………


変わった感じのオーラだ。

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