第30話

「否定はしない」



「なら、良かった」



「舌が、マスターの味に馴染んでるの」



「嬉しいことだ。んじゃ、出発!」



車は、安全に動き出した。


移動中は軽く仮眠。


早く起こされた所為で眠いのだ。


喫茶店に着くと、目を擦りながら中に入る。



「お味噌汁とご飯と……卵焼きでしょ?あとは、サラダかな」



「なんでもいい」



マスターは、素早く朝食の準備をする。



「はい。できたよ」



テーブルに置かれた朝食はとてもおいしそうだ。



「果物も食べる?オレンジでいいかな?」



「うん」



「ねぇ?凛ちゃん。最近ほぼ、毎日来てるけどさ。夜ご飯はここで食べるじゃん?」



「うん」



「それ以外は食べてないでしょ?」



「うん」



「そっか」



「ここに来ると必ず食べるから大丈夫」



「うん。でも、朝も食べないとダメだよ?昼は、許す。朝ご飯はとても大切なんだよ?だから、食べないとダメ」



「……………………………」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る