第29話

「でも、呼ばれているので。早く行かないと罰則が…………………殴られるとか。拷問とか。それに、緊急だと思います。他の華道の者に関することだったら、早めに始末しておかないといけません」



「食事中に言うな」



「…………………………」



「………………………行け。もう、朝食はいい。明日から、自分でしっかりな。人間にとって食事は大切なものだ。だから、絶対に食べろ。いいな?約束だ」



「…………………はい」



部屋から出て、自分の部屋に戻ると財布等を持つ。


そして、玄関に行く。



「お嬢様。明日の朝食は?」



「もう、いらないから。そんなの必要ないの。だから、準備しないで」



「でも!!隼人様に!!」



「いいから………裏に集中したいの」



それだけ言って、家から出た。


いつもの場所に行き、黒いセダンの車に乗り込む。



「おはよう凛ちゃん。びっくりした?」



「した。演技も上手だったのね?」



「あはは!よかったでしょ。さて、朝食作ってあげるよ。その様子だと、不味かったんでしょ?」



「なんで分かるの?」



「凛ちゃんが考えてることなら、なんでも分かるよ。逃げたいってことも」



「…………………10時って言ったのに7時05分なんだけど」



「うん。でも、良かったでしょ?」

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