第17話
「凛。何してたの?さっき、様子を見に行ったら誰かと話してるのが見えたけど。誰?あの男たち」
「知らない。邪魔だから退いてと言っただけ」
「ふ~ん。で?なんで、オレンジじゃないの?」
「なかった」
「使えないなぁ………」
テーブルにジュースを置くと、千那はそれから話さなくなった。
私は、グラタンを食べないまま。
「食べないの?冷めちゃうよ」
「いい。お腹空いてないから」
「………………………そう」
千那が食べ終わるとレジに進む。
レシートを持った千那はそのままレシートをレジ台に置いた。
「あれ?さっきの女の子だ」
声がする方を向くとさっきの男達がいた。
チャラ茶髪はレジに向かう。
「凄い荷物だね?…………………重そう。女の子が持つ量ではないよね。力持ちだね。大丈夫?」
黒髪の人が言うがその声はなんだか冷たくて違和感がある。
「あっ。さっき迷惑かけたから………これ、あげるよ。俺の好きな飴。凄くおいしいよ。嫌なことを全て忘れちゃうくらいに…………………ね」
………………………。
手に握られたのは、ピンク色のアメ。
少し、色が濃いかもしれない。
これって…………………
「いちご味。食べられる?女の子が好きそうな味だと思うけど」
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