第12話

そんなこと言われても、あれに並んで買えるわけがない。



「無理」



「ヤダ!なんとかしてよ!凛ならできるでしょ?お願いだからさぁ。欲しいの!」



そう言われても、割り込みなんてできない。



「あのスニーカー、凄く高くて人気あるし。今回みたいに、安くするなんてもうないんだよ。お願い」



「それは、この店しか買えないの?」



「そんなことないよ。ただ、高いだけ」



「なら、他の店にしたら?」



「ワーイ!!凛の奢りだぁ」



千那は、嬉しそうに他の店の中に入って行った。


私が買うんだね。


しかも、行こうとしていた店の隣にあるのね。


お目当てのスニーカーを買ってあげると千那のご機嫌は最高。



「次は、彼女のプレゼント!」



「この前、買わなかった?」



「ん?新しい子だよ。あの子は、もういいの。必要ないから」



捨てたのね。


そのうち、刺されるかも。


まぁ、自業自得だよね。



「凛も一緒に選んでね?女の子の意見が聞きたいの」



「………………」

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