第4話
さて、表舞台に立つことができない奴は何をするのか。
部屋に閉じ込められる?
家の雑用を任せられる?
それとも、存在を無理される?
答えは裏舞台に回される、だ。
裏舞台と言っても裏方とかではない。
そこは、違う意味での裏舞台とか欲望と権力が蠢いている裏社会だ。
汚い欲望が蠢き権力で捻じ伏せる。
表の常識など皆無だ。
皆、汚れた目的のためならどんなことでもする。
戦略に死ぬことが書かれているのなら死ぬのだ。
そして、死んだ者は存在しなかった者として消される。
常識なんて存在しない場所にいつ頃から裏に回されたのか。
幼い頃はお遊び気分で生花をしていた記憶がある。
両親に教えられながらいろんな花を生けていた。
完成するとたくさん褒められた。
どんなに下手でも凄く喜んでいたことを覚えている。
失敗しても怒鳴り声などあげたりしなかった。
だが、兄が生花の才能を開花すると私に対する態度が急に変わった。
少しのことで怒り出し、躾という理由で何度も廊下に立たせるようになった。
冬の寒い日には裸足で外に出されて2時間も立たされた。
兄が賞を取ることが多くなると、私は段々と失敗も多くなり罰も増えた。
兄が大きな賞を貰うと両親は私に兄の素晴らしさを語るのだ。
そして、兄の話が終わると私のダメなところを何度も何度も話す。
それが終わると何度も生花をさせる。
小学3年の頃には愛情も期待も全て兄に注がれ、躾という罰だけが私に注がれた。
もう罰にも慣れた頃、裏社会の存在を知った。
あれは小学4年の時だっただろうか。
話は坦々と進み、いつの間にか裏の仕事をやらされていた。
身体にはいつも多数の生傷ばかり。
新しい傷がどんどんできるためか治ってきているのかも分からない。
もしかしたら、治った場所に新しい傷を付けられているのかもしれない。
一生治らない傷になるかもしれないが、この世界は傷ができるのが当たり前だ。
傷を作らない仕事をしたいのならもっと上層部に出世するしかない。
まぁ、そこまで行くにはかなり大きな仕事して業績を上げなけれなならないが。
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