Side:黒猫 歌鈴

第34話 フロストシーアクアリウム(1)- Side:黒猫 歌鈴(水族館)


 水族館『フロストシーアクアリウム』は、札幌から車で約1時間ほどの距離にある。また、O市の駅からはバスが出ていた。


 なので、それを利用すれば25分くらいで着くだろう。

 でも、駅から向かうのであれば、一番のオススメは港である。


(もちろん、天候にも左右されるけれど……)


 観光船に乗って最寄りの港で降りれば、水族館へは徒歩10分という距離だ。

 O市の観光も兼ねているのなら、O市の駅から徒歩で港へ向かうのがいい。


 バスもあるけれど、徒歩で約13分くらいの距離だ。

 当然、港の近くには観光駐車場がある。


 なので車なら、そこに停めることも可能だ。

 後は港から観光船に乗るだけ。星霞せいかくんは、


「特に夏は天候が安定しているため、海の景色を楽しむのにも最適ですよ」


 と教えてくれる。はい……全部、彼からの受け売りです。


(いや、今は『フロストナイト』なのかな?)


 流石さすがは観光地のタクシードライバー。ご当地ヒーローとご当地キャラの『ミズウサギ』(着ぐるみ)が乗ってきても、おどろいた様子はない。


 一方で私は「明日から、どんな顔をして学校へ行けばいいの」と落ち込んでいた。

 今回の件で多くの生徒に目撃されたため、すっかり有名人になっているだろう。


 落ち込む私に対し、ミズウサギが肩に手を乗せ、サムズアップする。

 着ぐるみ越しだけれど、すごくいい顔をしているのは分かった。


(やっぱり、中身は風奏ちゃんで間違いなさそうだ……)


『学校なんて、行かなければいい!』


 そんな心の声が聞こえる。校長室から連れ出された後、教室でリュックを回収してから、学校の駐車場へと移動した。そこで待たせていたタクシーへ乗ると――


「責任は取るので、大丈夫ですよ」


 と星霞くん。取りえず、言葉通りの意味で受け取らない方がいいことは学習した。


「えっ、結婚してくれるんですか⁉」


 そんな私の苛立いらだちをめた冗談に「それもいいですが、ダンジョン高校に通ってもらいます」と星霞くん。


 風奏と一緒に――と付け加える。


『聞いてねーぞ、おらーっ!』


 といった感じで、ミズウサギがフロストナイトにつかみかかったのは言うまでもない。最初から、そういうつもりだったのだろう。


 肩を落とし、落ち込んでいる私に、星霞くんは目的地である水族館『フロストシーアクアリウム』の説明をしてくれた――というワケである。


「夏から秋にかけては、海洋生物が活発に活動する時期です」


 そう教えてくれた。


「運が良ければ、クジラやイルカに出会えるかもしれませんね」


 と彼は付け加える。クジラやイルカよりも、今の自分が置かれている状況の方がレアな気がするのだけれど、言い返す気力もない。


 すっかり『探索者シーカー』としての道を歩まされているようだ。


「じゃあ、今度デートしてくれます?」


 私の投げやりな台詞セリフに「いいですね」と星霞くん。

 彼のすべてを許すワケではないけれど、それで気分を良くしてしまう自分がいる。


「では、今日の任務を無事に成功させたら――ですけどね」


 と星霞くんは条件を付けたした。


(何だか、子供あつかいされているような……)


 不満そうな表情をした私に対し「大丈夫、お菓子を食べて、配信してもらうだけですから」と彼は微笑ほほえんだ。


 一瞬、断ろうと思った私だけれど――


(そう、何度なんどもバズるワケないか……)


 と思い「いいですよ」と承諾する。

 そもそも、この状況で断っても、良い事はなさそうだ


 水族館へ着くと、職員用の駐車場からコソコソと移動する。

 とはいっても、今日は平日の月曜日。


 観光シーズンが終わりに近づくため、お客さんの数は比較的少ない。

 海の近くなので、平均気温は約10℃。11月になると約3℃である。


(そりゃ、人の数も減るよね……)


 星霞くんは職員さんへあらかじめ連絡をしていたらしく――フロストナイトの格好でも――すんなりと通してもらえた。


 そして、職員さんに案内されたのはイルカのプールだ。

 ショーの時間以外は、専用のプールで過ごすらしい。


 そして、ダンジョンがあるのも、このプールのようだ。

 本来ならイルカを見てはしゃぐところなのだろうけど、そういう気分ではない。


「これ、頼まれていたモノです」


 とは飼育員さん。お土産用の袋を渡される。

 ありがとうございます――と受け取る星霞くん。


 すべては彼の計画通りなのだろう。星霞くんは、


「では、行きましょうか?」


 と私たちに告げた。


(今回は、そのお土産用のお菓子を食べればいいのかな?)



🍽️ 🍽️ 🍽️ 🍽️ 🍽️



*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*


ฅ^•ω•^ฅ「カリンと~♪」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「フーカのー」


ฅ^>ω<^ฅ&(˶ᐢ- -ᐢ˵)「ティーダンジョン♪」


ฅ^•ω•^ฅ「今日は『地方での若者採用の現状』についてです」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「やめられないとまらない♪ 都市への若者流出ね」


ฅ^-ω-^ฅ「こらこら」

(˶ᐢ- -ᐢ˵)「うー」


ฅ^-ω-^ฅ「で、地方だと若者採用がきびしくなっているようだけど……どういうこと?」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「簡単よ、日本全体で人口減少が進んでいるから。特に地方では若者の数が減少しているわ」


ฅ^-ω-^ฅ「それは、地方に仕事がないから?」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「正確には、都市部に比べて選択肢が少ないから――でしょうね。あと、若者はキャリアの成長や収入を求めて都市部に移動するわ」


//////////////////


📅 若者が重視する条件 📅


また、今の若者たちは初任給だけでなく、働く環境や福利厚生にも非常に敏感になっているそうです。


😴 休日数:


 仕事とプライベートのバランスを重視する若者にとって重要な要素です。


⚖️ ワークライフバランス:


 若者は仕事だけではなく、趣味や家族との時間、自分自身の成長のための時間を大切にしています。そのため、休日が少ない企業は、若者にとって魅力的ではなく、就職先の候補から外されてしまうことが多いそうです。


💖 ライフスタイルの魅力:


 都市部はエンターテインメント、ショッピング、飲食店などのライフスタイルの選択肢が豊富です。若者は仕事だけでなく、プライベートの充実も求めているため、都市部の魅力に引かれることが多いそうです。


🎓 教育とキャリアの機会:


 都市部には多くの大学や専門学校があり、教育の機会が豊富です。そのため、地方へは戻らない人も多いようです。都市部には大企業やスタートアップ企業が多く、キャリアの成長やネットワーキングの機会も多いからです。


//////////////////


ฅ^-ω-^ฅ「地方は中途採用も厳しいらしね」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「企業は即戦力を求める一方で、求職者側も自分のスキルや経験を活かせる職場を慎重に選ぶようになっているわ」


ฅ^>ω<^ฅ「つまり、立場が逆転しているんだね!」

(˶ᐢ- -ᐢ˵)「仕事が複雑になって『一定のスキルを持つ人間しか働けない』とも言えるかしら? 病気になる人も多いでしょ?」


ฅ^>ω<^ฅ「若者にとって魅力的な職場を作る必要があるね!」

(˶ᐢ- -ᐢ˵)「企業が働きやすい環境を提供する時代ね……じゃあ、今日はここまで」


ฅ^>ω<^ฅ&(˶ᐢ- -ᐢ˵)「またね~、ばいば~い!」


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