第32話 生態系調査部門(2)- Side:天霧 星霞(回想)


 知人の話から――ダンジョンインダストリーズの研究所の職員が数名――行方不明の者がいて、安否が確認できていない状況にあるらしい。


 いずれも生態系調査部門の研究者だそうだ。

 恐らくは、その中の1名が『ドラゴンオーブ』を使用したのだろう。


 しかし『万応素マナ』が足りないため、中途半端な変身となり、暴走して全滅。

 本社から命令を受け、駆けつけたダンジョンインダストリーズの『探索者シーカー』チームも全滅――というワケだ。


 状況から推測するに、自分たち(生態系調査部門)に対する会社側のあつあいによる不満から、希少なアイテム(ドラゴンオーブ)を隠れて研究していた――


(そんなところか……)


 だが、それが本社にバレてしまう。

 逃走しようとしたが、すでに探索者チームが派遣はけんされた。


 ヤケになって『ドラゴンオーブ』を使用した――といった流れだろう。

 改めて、僕は姉さんに連絡し、今後の判断をあおいだ。


 当然、その間に探索者チームの遺留品とドラゴンオーブは回収しておく。

 しばらくすると姉から連絡が入り、帰還した。


 アウレリーナには「また呼び出すよ」という約束をして帰ってもらう。

 ドラゴンオーブに関しては「僕がダンジョンで回収した」という筋書きだ。


 正確には――『スイーツガールズ』が第50階層に出現したボスを倒して入手した――となっている。


 つまり、ダンジョンインダストリーズはドラゴンオーブを最初から所持してはいなかったし、違法な研究も行ってはおらず、研究員もただの被害者でしかない。


(それが落としどころか……)


 姉さんのことだから、交渉を進めるのだろう。

 以降、僕には指示がないので、先にダンジョン関連の仕事を片付けることにした。


 場所は『フロストシーアクアリウム』――水族館だ。


(綺麗な魚や動物も多いので、歌鈴や風奏も喜ぶだろう……)


 そんな風に考えていた。また、ダンジョンから戻ってくる頃には、姉さんの方でも進展があるハズだ。


 確か、ダンジョンインダストリーズの幹部たちと「話し合いをする」と言っていた。防衛省やダンジョン協同組合の対策にいそがしいと思っていたのだけれど――


なにか別の方法を思いついたのだろうか?)


 僕としては、荒事あらごとにならなければそれでいい。


(少なくとも、これで探索者の仕事の方に集中できる……)


 そんな風に考えていたのだけど、例の動画が想定以上にバズっていた。

 偶然の可能性もあるけれど、タイミング的に――


(姉さんが犯人だな……)


 ということはスグに分かった。恐らく、知人の有名な探索者に「動画を紹介しろ」とでもお願い(?)したのだろう。


 恐らくはダンジョンインダストリーズへさぶりをかけるためだ。

 この状況で真実を公表されたのでは、たまったモノではない。


 大きな貸しを作ったことになる。いや――


(この場合、親会社の『クロノスエネルギーソリューションズ社』がねらいだろうか?)


 クロノスエネルギーソリューションズ社――正式名称は『株式会社クロノスエネルギーソリューションズ』。


 設立したのは2千年。もともと、計画自体はあったのだろう。

 それが『ダンジョン災害によって前倒しになった』という印象がある。


 突如として発生したダンジョン災害は、人類にとって未知の脅威きょういとなった。

 当然、社会に大きな影響を与える。


 この災害を契機に、政府はエネルギー問題と環境保護の重要性を再認識し、再生可能エネルギーの研究開発を推進するためにクロノスエネルギーソリューションズ社を設立した。


 ――というのが設立背景だ。政府はクロノスエネルギーソリューションズ社の設立に際し、初期資金の提供や政策支援を行う。


 これにより、企業は安定したスタートを切ることができた。また、ダンジョン災害という事態によって「自分たちの知識を皆のために役立てたい」という人たちも多くいたようだ。


 設立当初から最先端の技術研究に注力し、再生可能エネルギーの分野で多くの革新をもたらすことに成功した。


 また、企業のビジョンも、当時の日本における時代背景に合っていたのだろう。

 持続可能な社会の実現と環境保護をかかげ、公共の利益を最優先に活動したことがこうそうした。


(政治的な影響を受けやすく、官僚的な運営が企業の柔軟性を損なう可能性もあるけれど……)


 逆に言えば、政府との接点がある。経済産業省や環境省、有力政治家やエネルギー政策や環境保護に関心を持つ官僚、地方自治体――


(防衛省と渡り合うには、十分な戦力だよな……)


 味方につけることが出来れば頼もしい。

 我が姉ながら恐ろしい――と今更ながら戦慄せんりつする。


 ただ、問題があるとすれば、


(巻き込まれた歌鈴と風奏は誰が守るのだろうか?)


 という点だ。まあ、当然――


(僕しかいないワケで……)


 姉さん、事件です。



🍽️ 🍽️ 🍽️ 🍽️ 🍽️



*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*


ฅ^•ω•^ฅ「カリンと~♪」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「フーカのー」


ฅ^>ω<^ฅ&(˶ᐢ- -ᐢ˵)「ティーダンジョン♪」


ฅ^•ω•^ฅ「難しい話ばかりしていてもアレなので、今日は『北海道の牡蠣かき 🦪』についてです」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「まったく……この作品、ろくな姉がいないわね」


ฅ^-ω-^ฅ「こらこら」

(˶ᐢ- -ᐢ˵)「うー」


ฅ^>ω<^ฅ「それより『北海道の牡蠣 🦪』と言えば、厚岸あっけしが有名だよね!」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「そうね。厚岸の牡蠣は1年中出荷可能で、身がふっくらとして甘みが強いのが特徴よ。特に冬の時期(12月〜2月)が最も美味しいと言われているわ」


ฅ^>ω<^ฅ「まさに旬だね!」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「その他にも、次の産地が有名よ」


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🏞️ 牡蠣の名産地 🏞️


🦪 仙鳳趾せんぽうし:厚岸町の隣に位置します。こちらも美味しい牡蠣が採れます。仙鳳趾の牡蠣は、身が大きくてクリーミーな味わいが特徴です。


🦪 知内しりうち:函館市の近くに位置します。知内の牡蠣は身が引き締まっていて、濃厚な味わいが楽しめます。


🦪 猿払さるふつ:北海道の最北端に位置します。そのため、猿払の牡蠣は冷たい海水で育つことから、身が締まっていて、甘みが強いです。


🦪 厚真あつま:胆振地方に位置します。厚真の牡蠣は、身が大きくてジューシーな味わいが特徴です。


//////////////////


ฅ^>ω<^ฅ「わーい、食べ方も教えて!」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「私より、あなたの母親に聞きなさいよ……」


ฅ^-ω-^ฅ「まあまあ、そう言わずに――ほら、厚岸の牡蠣 🦪」

(˶ᐢ- -ᐢ˵)「はいはい……じゃあ、メェリィさん、手伝ってください」

꒰ ❛ꈊ❛ ꒱「メェーメェー、みんな! こんにちは、メェリィだよ!」


(˶ᐢ- -ᐢ˵)「じゃあ、お願いします」

ฅ^>ω<^ฅ「お願いします!」

꒰ ❛ꈊ❛ ꒱「任せて、メェー!」


(˶ᐢ. .ᐢ˵)「厚岸の牡蠣は一年中楽しめるけど、特に美味しいのは12月から2月よ」

꒰ ❛ꈊ❛ ꒱「生牡蠣、蒸し牡蠣、焼き牡蠣が人気だよ、メェー!」


ฅ^>ω<^ฅ「次は仙鳳趾の牡蠣 🦪」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「8月から12月が旬ね。観光客にも人気があって、特に夏から秋にかけて多くの人が訪れるわ」

꒰ ❛ꈊ❛ ꒱「蒸し牡蠣、焼き牡蠣、牡蠣フライが美味しいよ、メェー!」


ฅ^>ω<^ฅ「続いて知内の牡蠣 🦪」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「11月から3月が旬ね。こっちも観光客にも人気があって、特に冬の時期は多くの人が訪れるわ」

꒰ ❛ꈊ❛ ꒱「生牡蠣、牡蠣鍋、牡蠣の炊き込みご飯が人気だよ、メェー!」


ฅ^>ω<^ฅ「そして、猿払の牡蠣 🦪」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「10月から3月が旬ね。こっちも冬の時期は多くの人が訪れるわ」

꒰ ❛ꈊ❛ ꒱「生牡蠣、蒸し牡蠣、牡蠣のグラタンが美味しいよ、メェー!」


ฅ^>ω<^ฅ「最後は厚真の牡蠣 🦪」

(˶ᐢ. .ᐢ˵)「こっちも11月から3月が旬ね。やっぱり、冬の時期は多くの人が訪れるわ」

꒰ ❛ꈊ❛ ꒱「生牡蠣、牡蠣のバター焼き、牡蠣のパスタが人気だよ、メェー!」


ฅ^>ω<^ฅ「よし、食べに行こう!」

(˶ᐢ- -ᐢ˵)「はいはい……じゃあ、これで終りね」

꒰ꈍꈊꈍ꒱「楽しかった、メェー!」


ฅ^>ω<^ฅ&(˶ᐢ- -ᐢ˵)「またね~、ばいば~い!」

꒰>ꈊ<꒱「メェーメェー、ありがとう!」


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