プロローグ
Side:星霞
第01話 防衛省の思惑(1)- Side:天霧 星霞(本社)
「キミたちに集まってもらったのは他でもない――」
ダンジョン関連企業である合同会社ウォーヘッド代表社員『
いつもは大して座ることのない――というか、ノリで買ってしまった――大型エグゼクティブデスクへと腰掛けている。
重厚な机の上に
(
代わりに内心で
予想通り――いや、いつも通りと言うべきだろうか?
日照姉さんはこちらの気持ちなど、
「新入社員をスカウトしてきてもらいたい!」
キリッ!――と彼女は言い放つ。本人としては格好を付けたつもりなのだろう。
けれど、僕からすれば、そんな事はどうでもいい。しかし、
「いくつか質問をしてもいいですか?」
申し訳なさそうに見えるよう、肘を曲げた状態で僕は右手を上げた。
本来なら平然とした態度で接する場面なのかもしれない。
けれど、彼女は社長兼姉である。
可能な限りの
(
「
と日照姉さんは僕の名前を告げる。相変わらず、彼女は机に両肘を立てた状態で
これが彼女の持つ社長像なのだろうか?
間違っているな――と思いつつ自分は、
「まず、ここには僕と
と口を開く。最初に「キミたち」と言っていたようだが、ここには彼女自身を含め、3人しかいない。もしボケで言っているのなら、ツッコミ待ちの状態だ。
(
大学へも一緒に通い、今は社長秘書兼事務として姉を支えていた。
髪型は前下がりのボブで、髪の長さは
ロングヘアの姉とは対照的だ。恐らく、
姉の対応には
「いい質問だね、星霞くん」
フッ!――と日照姉さん。きっと、ドラマか映画でも観たのだろう。
気に入っているのか、その変なキャラを続けるつもりのようだ。
悪の総司令にしか見えないが、そこは
「知っての通り、我が社の社員たちは優秀だが、数が少ない……」
そう言った後「少数精鋭と言ってもいいのだが」と付け加える。
(問題児の間違いじゃないだろうか?)
性格や行動に問題があるのは確かだけれど、実際に優秀であることに変わりはない。
(
この場合「
「『
フッ!――と日照姉さん。その「フッ!」というヤツは、やらないとダメなルールなのだろうか?
大して意味のあることを言ったワケでもないのに、
一方で自分の仕事が片付いたのか、立ち上がった桃藤さんはいつの間にか姉の横に立っていた。
(相変わらず、仕事が早いな……)
自分がそんな感想を
「JD(ダン協)の方から通達があってね、ダンジョン内へ立ち入る規定人数の内容が改正されたのよ」
と教えてくれる。同時に「書類を作成したから承認をお願いね……それからWebサイトの方も
日照姉さんは「
自分は、そんな
「ああ、確か危険という理由で20階層より深い『中深部』への立ち入りは『3人以上で』となりましたね」
他にもいろいろと細かい改正内容はあったのだけれど、自分にとって重要に感じた部分だけを挙げる。
そんな自分の言葉に反応したのは桃藤さんではなく、日照姉さんの方で、
「そ、要はウチのような少数精鋭の会社を
ブーッ!と
いや、変なキャラであることには変わりないのだが――
しかし、その誰もが単独でダンジョン
現状、人数を増やす必要もなければ、新たに人を
もちろん、一般人でもダンジョンへ
ダンジョン協同組合に属していなければ、改定されたルールを守る必要もない。
だが、本格的にダンジョンへ挑む――つまりは中深部へ潜る――ことを考えるのなら『
探索者は簡単にいうと『ダンジョン探索を専門とする公務員』だ。
個人でありながら、高い戦闘能力を保有する。
そのため、探索者という職業を公務員にしたのは「国で管理する」というのが主な目的だろう。
ダンジョン災害が発生して以降、日本はダンジョン災害大国となった。災害に巻き込まれた人間は自分の意思に関係なく、ダンジョン適合者となるケースが多い。
日本政府は探索者という資格を与えることで「混乱に対応した」と言える。
普段はダンジョン探索を主な仕事とする探索者だが、扱いは自衛隊と同じ防衛省の
そのため、有事の際は国の防衛のために
逆に申請さえ行えば、有事以外は基本、何をしていても問題はない。
ただ、僕の場合は北海道の担当のため、旅行などは制限される。
当然だけど、逮捕や発砲の権限はない。
たまに救助や医療支援、物資輸送などに駆り出される。さらにダンジョンへと潜るため、一定の危険はあったのだけれど、それ以上にメリットもあった。
そして、設定した種族やクラスにより、習得可能な異能力『スキル』や『魔法』を保持することが出来た。
そんな探索者にとって、他人に手の内を
変な人間を組織に引き入れてしまったがために「大切な情報が
それは絶対に
所有と経営が分離している株式会社では、秘密を守る場合、
一方で日照姉さんの説明では不十分だと思ったらしく、
「防衛省幹部の天下り先確保のためでしょうね」
と桃藤さんは付け加える。
そんな彼女の
僕まで同意してしまうと話がエキサイトしてしまいそうなので、この場は黙っていることにしたが――
(つまり、ダンジョン協同組合は「防衛省の幹部職員が多数天下っている」という事を言いたいんだろうな……)
先の大戦における日本の敗戦理由は「暴走した軍部」と言われていたが「日本の官僚制が最大の原因」という説もある。
いったい、2人が
裏にある理由として「政治家は企業からの献金を、大企業は自分たちに有利な条件を、そして官僚は天下り先をそれぞれ求めている」と推測したようだ。
🍽️ 🍽️ 🍽️ 🍽️ 🍽️
*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*
ฅ^•ω•^ฅ「カリンと~♪」
(˶ᐢ. .ᐢ˵)「フーカのー」
ฅ^>ω<^ฅ&(˶ᐢ- -ᐢ˵)「ティーダンジョン♪」
ฅ^•ω•^ฅ「いやー、始まりましたね♪」
(˶ᐢ. .ᐢ˵)「始まってしまった……作品のストックもないのに良くやるわね」
ฅ^-ω-^ฅ「こらこら」
(˶ᐢ- -ᐢ˵)「うー」
ฅ^•ω•^ฅ「ここでは本編の解説やお知らせをしますよ」
(˶ᐢ- -ᐢ˵)「します」
ฅ^•ω•^ฅ「早速、お知らせがあるようです」
(˶ᐢ. .ᐢ˵)「何かしら?」
ฅ^-ω-^ฅ「JKがダンジョンでお菓子を食べるだけの話と言いましたが……」
(˶ᐢ- -ᐢ˵)「アレは嘘です」
ฅ^>ω<^ฅ&(˶ᐢ> <ᐢ˵)「ガーン!」
*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*:._.:*
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます