第54話
ロイって誰?
知らない名前が出たけど。
駿君は兄弟がいないと言っていたからお兄ちゃんではない。
「23番。人数いたほうが楽しいだろ!お父さんとロイ兄ちゃんも一緒だ!」
「そうだね。人数いたほうが楽しいね」
「早く明日にならないかなぁ」
そうだね。
楽しい日って早く来てほしいもんだよね。
連休とかね。
「ロイは昨日からこっちに泊まっているからね。学校が休みだから一緒に日本も行くって。レポートの資料探しにちょうどいいからって」
「日本にも来てくれるの!?」
「そうよ。真人にも会いたいって。本当かしらねぇ」
「やった!!!」
…………………。
「あの、明子さんってお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「あぁ!ごめんなさい!!いいわよ。あと、普通に話しね。私達家族はフレンドリーが一番だから。旅を満喫してちょうだい」
ニコニコ笑顔で話す駿君のお母さん…………………明子さんは私の手を取り固くならないで!とアピールしてくる。
「はい。では、そのようにします。あの、ロイさんって?」
「そうよね。知らないわよねぇ。ロイは私の夫の弟の子供。駿からだといとこね。カッコイイわよ。凄く!!ハーフなの。ハーフって得よね。顔立ちははっきりしてるし。まだ大学生よ。23番は何歳なの?」
「26歳ですね」
「彼氏は?結婚は?子供は?」
「いないですねぇ」
「んじゃ、ロイはどうかしら?年下だけどしっかりものよ!!真人よりしっかりもの!でも、年下らしく可愛いところもある!!どう?」
なぜ、ここで相手役のご紹介?
いや、年下は眼中にないから。
まだ学生さんでしょ?
真人様と同じくらいってこと?
「22歳で今年卒業なの。彼女はいないし。というか作るつもりがないのよねぇ。困った子よ。ロイのご両親も心配してるの。女の子に興味がないっていうか…………………」
面倒な男を押し付けられているのかな?
あれぇ?
私子守担当ですか?
「まだ22歳。これからですよ。そんなに心配しなくて大丈夫です。私にも弟がいますけど結婚願望はまだないですよ。大学卒業して就職してから考え出すと思いますけどねぇ」
「いや、ロイは本当にヤバイの。心配しちゃうの。女の子に全然興味ないのよ。会えば分かるわ!」
「はぁ、そうですか」
ヤバイ人を押し付けないでくれませんかね?
これ以上は何も受け付けられませんよ?
車が走ること2時間。
やっと家に着いた。
車から降りると立派な建物が見える。
あぁ、これが海外のお家か。
テレビで見る高級住宅。
ガレージにある車はすべて高級車。
ステンドグラスの玄関ドアと大理石の床。
あらぁ、シャンデリアだわぁ。
うふふっ、真人様の屋敷よりこっちのほうが凄いってどうなの?
つーか、シャンデリア何個あるの?
えっ?何?なんだって?客室が12?
シャワーとトイレが完備?
「23番。ここがリビングよ。ソファーに座って」
案内されたリビングはとても広いところだ。
ソファーが3つあり、3つとも大きいので余裕で5人は座れる。
大画面のテレビは壁掛けになっているためスッキリ感がある。
あのアンティークのランプは有名なガレじゃない?
本物?えっ?マジもん?
ソファーの下に敷かれている絨毯だって手織りだよね。
安くても40万とか。
値段が気になるとか庶民の考えだ。
「さぁ、疲れたでしょう?何か飲み物を。駿、ロイは部屋にいるから呼んできて」
「は~い」
明子さんは自分でお茶の準備をするのか高級そうなカップを取り出す。
駿君は嬉しそうにリビングを出て行った。
きっといとこを呼びに行ったのだろう。
「コーヒーでいい?砂糖とミルクは?」
「ブラックで大丈夫です」
「分かったわ。クッキー食べる?私の手作りだけど」
へ~ぇ。
クッキー作るんだ。
テーブルの上に置かれたのはチョコチップクッキーだ。
ソファーに座ってフカフカな感覚を楽しむ。
本革ってやつだよね。
安くて30万ほど。
ガチャッ…………………
ん?
ドアが開く音が聞こえそちらに目を向ける。
ほわ~ぁ…………………マジですか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます