第31話
高校の授業が最後かな?
それにしても、このプール大きいな。
深さは大丈夫かな?
まだ、小さいから足とか届く?
浮き輪とかあればいいけど。
「お待たせ!駿、ちゃんと準備運動してね」
「分かってるよ」
「23番。これは、宝だよ。ばら撒いて」
手に乗せられたのはキラキラ光るおもちゃの宝石だ。
あーっ、小学生のときやったね。
この遊び。
「全部で30個。バランスよくお願いね」
「分かりました」
では、いい感じに撒くか!
見つけにくいところにわざと置くとかさ。
ほいっ!よっと!
30個の宝石を撒き終える頃には準備運動も完了。
「ゲームを始める前に水に体を慣らそうね」
「面倒だ」
「これは重要なことだよ。23番。君はこっちで見てて」
楠の呼ばれて2人の近くに行く。
プールに入る2人を見て、なんだか羨ましく思う。
水中で手足をバタつかせて慣らせる。
「なぁ?もういいだろ!」
「いいよ」
「どっちが宝を多く見つけられるか競争な!23番。審判お願い」
「うん。全部で30個あるから。時間は2分ね。2分以内に多く見つけられた人が勝利。では、2人共準備はいいかな?」
「うん」
「いいぞ」
「では、スタート!」
2人は水中の中に潜り宝石を探す。
さて、見つけられるかな?
広い範囲に撒いたからなぁ。
最初に見つけたのは駿君で、そのあとすぐに楠が2個見つけた。
ほぅ、2人共なかなかですな。
楽しそうにはしゃいじゃって。
午後はどうするのかな?
そろそろ、お昼になるし。
あっ、時間すぎちゃった。
「終わり!!終了!……………………終了って言ってんだろ!!」
「怒るなよ!勝負は真剣だ」
駿君、時間は守ろうよ。
「時間を守れ。違反扱いにするぞ」
「分かった!守る!」
よし、駿君の宝石が9個で楠が8個か。
「この勝負は駿君の勝ち!」
「やった!」
「23番!もっと分かりやすいところに投げてくれないかな!?端っこに投げる奴いないから!」
「そんなのつまらないですよ。すぐに見つけちゃうとか宝探しゲームじゃないです。ただのゴミ拾いです。それより、そろそろご飯の時間ですけど」
「えっ?11時半か。そうだね。駿、いったん出ようか。午後から遊ぼう。ご飯はこっちに持ってくるように手配したから」
流石だ。
いつの間に手配したの?
そんな行動取ってなかったと思うのに。
「分かった。ご飯何?」
「サンドイッチ」
「ふーん」
私もお昼ご飯にしようかなぁ。
「楠さん。私もお昼ご飯にしていいですか?」
「あぁ。いいよ。一緒に食べよう」
「はっ?」
「だから、一緒に食べよう。君の分も準備させたから。ほらっ、あれ」
楠が指した場所にはいつの間にか入ってきていたベテラン家政婦がお昼ご飯の準備をしていた。
テーブルとイスとタオル。
なんだろう。
こういう光景って凄いね。
準備が終わると一礼して出て行く。
行動が早いぞ。
楠はプールから出ると家政婦が準備したタオルを駿君に被せる。
そして、パーカーを着させた。
手慣れた行動で素晴らしいな。
「駿、オレンジジュースがいい?ミルクがいい?それともお茶系?」
「オレンジがいい」
「どうぞ。23番は何がいい?」
「えっ、あっ、お茶で」
「はい。どうぞ」
流石執事だ。
駿君を椅子に座らせて私にここに座れと合図する。
指示された場所に座ると、料理が目の前に置かれた。
サラダと温かいスープにサンドイッチ。
大変だ。
サラダの上に何か乗っている。
これは何?
温かいスープのとろみが強い。
サンドイッチの具が凄い。
庶民が食べるものではない!
頭が痛くなってきた。
「楠さん。今日は1日プールですか?」
「その予定」
「また、宝探しゲームやりたい!」
そうか。
やりたいのか。
では、今度はどんな場所に置こうかな。
「23番。食べていいよ。冷めるよ」
「うっ、いただきます」
パクッとサンドイッチを一口食べる。
「おいしい!何これ。かなり絶品!」
「それは良かったね」
「楠さん。これ私が本当に食べて大丈夫ですか?」
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