第16話
「あの、どのような用事で?」
「ん?あぁ、この部屋の鍵の修理で来たの。もう終わったけど。でもねぇ、問題多発だね。立花!こっち来て」
楠は立花を呼び寄せる。
「いったいなんですか?」
「いいから。ここに座って」
いや、私のベッドに座らないで。
「あれを見て」
「……………………そろそろですかね」
「そうだね。これ、達美様に知らせたほうがいいと思うけど」
「そうですね」
えっ?
何?
何かあるの?
「23番。私達はこれで失礼します」
「えっ?僕、まだいる」
「いいから来なさい。達美様に報告します。楠は真人様のところに行きなさい」
「え”っ!?今日は立花の番だよね」
「あなた、達美様にしっかり説明できますか?」
「あーっ、無理かな」
「なら、お願いします」
「はーい」
「では、失礼します」
「またね」
二人は慌ただしく部屋から出ていった。
いったいなんなの。
「姉ちゃん。なんか、強烈だな」
「うん」
というか、私の部屋に何かあったの?
説明はなし?
「姉ちゃん。ご飯手伝う?」
「うん。作ろうか」
さっきのことは忘れよう。
今は大雅がいるのだ。
あいつらのことよりこっちだ!
「よし!作るぞ!!簡単なものしか作れないけど!」
「威張って言うな」
***
次の日、大雅は朝ご飯を食べてすぐに帰っていった。
最後に自分がほしい車を熱弁して……………………
どんだけ欲しいんだよ。
魔王のお父さんをどうやって説得するかだな。
昔の考えだからなぁ。
説得方法を考えながら部屋の掃除や洗濯をする。
洗濯物を干し終えると部屋着からお出かけスタイルに着替えて部屋から出る。
今日はちょっと離れのドラックストアとスーパーに寄って買い溜めしないと。
裏口に向かい駐車場に出る。
今日も私の愛車は素晴らしい。
あぁ、やっぱり買ってよかった!!
……………………。
……………………。
大雅、ごめんよ。
なんか、申し訳ない。
「あれ?お出かけ?」
「あっ、楠さん」
なぜここにいるのだ。
執事服だから仕事中なんだね。
「いいなぁ。お出かけ。いいなぁ。お休み」
そんなこと言われても。
「困ってる?冗談だよ。気を付けて行ってきな」
「はい。行ってきます」
今日はあっさりだな。
いつも何かしら絡むのに。
急いでるのかな?
まぁ、何もないのは嬉しい。
愛車に乗り込みエンジンをかけてゆっくり車道に出た。
最初にドラックストアに行くか。
こっちの道から行くと駅前でこっちだと総合体育館だっけ。
そうなると、右だね。
まだ道に慣れてないから運転しにくいなぁ。
前の場所より道が狭いし、交通が激しいし。
人もいっぱいだから怖い。
しかも、この地域は高級車ばかり見かけるから余計に怖い。
ぶつけたらどうしよう、とか。
ドラックストアに着くと早速、化粧水3本ほどカゴの中に入れる。
歯磨き粉もなかったよね。
おっ!安売りしてる。
これは5個くらい買っておこう。
あとは、トイレットペーパーだね。
安いのでいいか。
安さに満足気味でレジに向かい購入。
車に買ってきたものを積んで、次の場所に向かう。
あっちのスーパーは凄く高いからなぁ。
野菜だって100円も違うとかありえないよね。
スーパーに着くと食パン、豚肉バラ、卵などを購入。
今日のお昼はどうしようかなぁ。
冷蔵庫にはうどんがあったよね。
それでいいか。
今日の夜は2番の部屋で食べれるし。
何かなぁ。
楽しみだな。
タッパー持っていこう。
車に乗り込み本屋さんに寄り道しながら帰宅。
お昼ご飯を済ませてから洗濯物を取り込み、制服にアイロンをかける。
トイレ、玄関、床、風呂掃除でフィニッシュ。
さて、タッパーの出番だ!!
キッチンの収納からタッパーを取り出し袋の中に入れる。
しかも、タッパー2個だ。
私はタッパーが入った袋を持って部屋から出た。
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