第8話

部屋の中に入ると窓を開けてレースをしめる。

そしてキッチンに行き冷蔵庫を開ける。


「お肉……………………ないよね。やっぱグラタンでも食べようかなぁ」


ゴソゴソとグラタンを取り出し電子レンジであたためる。

その間に制服を脱ぎ捨てて部屋着に着替えて洗濯開始。


「あ~っ、ねむーい」


洗濯干したら少しだけ寝ようかなぁ。

チンッと音が聞こえ電子レンジからグラタンを取り出しテーブルに置く。

この食事スタイルってどうなんだろうね。

自分で作らず人の作ったものを食べるとか。

私は男子学生じゃないのにさ。

でも、お・い・し・い!!

やだぁ、凄くおいしい!こんなの作れるとか凄いから。

今日の夕飯も困らないね。

ポテトサラダあるし。

コロッケもあったな。

自分でご飯を炊けば完成!

味噌汁も作るか。

明日はどうしようかなぁ。

明日も朝の5時出勤で12時に終わりだから。

煮物があるから夜はそれにしようかな。

お昼は買いだめしてるカップラーメンでもいいか。

しかし、本当においしい。

食べ終わると休むことなくお皿を洗う。

このお皿を返さないといけないからシフト見ないとね。

次に会える日はいつだろうか。

朝と昼と夜にシフトされるからなぁ。

お皿を片付けると部屋の掃除。

掃除機を簡単にかけてベッドにも布団専用の掃除機をかける。

あぁ。

一人って最高だね。

洗濯完了の音が鳴るとベランダに出て洗濯物を干す。

うん!今日もやりきった。

いつもはベッドに倒れるように寝るのに今日は違った。

静かな部屋に私のスマホの着信が鳴り響いたのだ。

仕方なくその電話に出る。


『やっと出た!』


「あぁ。その声は山田か」


『山田じゃねぇよ。お前の弟だ』


「あぁ。その声は近所のおじさんか」


『姉ちゃん。マジで怒るよ』


「冗談だよ。何?何かあったの?」


『姉ちゃん。米まだある?ないなら俺が届けてやるよ』


「あら、どうしたの。あんたがそんなこと言うなんて。なんかあったのか?お母さんが発狂したか?それともお父さんが発狂したか?農家が失敗したか?」


『姉ちゃん。母さんも父さんも家も大丈夫だ。つーか、そんなこと言ってみろよ。ばあちゃん怒るぞ。んで?米は?』


「あと、少しだね」


『そっか。なら明日行く。何時がいい?』


「1時に来てよ」


『了解!んじゃね』


ブチッと電話を切る私の弟。

なんだか一方的な感じもするけどさ。

でも、米はありがたい。

家が農家でよかったよ。

あーーーっ。

だめだ。

寝よ。

スマホを放り出しベッドにダイブ。

そして、幸せな眠りの中に意識を飛ばした。


目が覚めると部屋の中は暗かった。

これは完全に寝過ぎた。

時計を見ると夜の7時。

今からご飯と味噌汁作れる?

いやいや、この私なら1時間はかかるね。

でも食べたい。

人間は欲求には弱い。

キッチンに立ち米を洗う。

炊飯器で炊けばすぐにできるから便利だよね。

味噌汁も具は豆腐とわかめにしてコロッケはチンして。

ポテトサラダはこのまま食べる!

あっ!お風呂のスイッチいれないと。

ぎゃっ!味噌汁が沸騰してる!!

あちゃーっ。またやってしまった。

まぁ、いつものことだし。

早く食べないとあっという間に12時になっちゃう。

11時には寝たいのに。

ご飯が出来上がると急いでよそって食べる。

時計を見ると夜の9時だ。

あと2時間だ。

ご飯を凄い速さで食べてお皿を洗う。

そして、お風呂に駆け込みゴシゴシと今日の汚れを落とす。

お風呂から出る頃にはクタクタだ。

髪をドライヤーで乾かし寝間着に着替える。

あっ、窓が開いていた!

危ない危ない。ちゃんと閉めておかないと。

チラッと時計を見ると12時だ。

はっ、早く寝ないと!

急いでベッドに倒れ込み浅い睡眠へと溶け込んだ。




***





チュンチュンとスズメの鳴く声が聞こえる。

あぁ、朝なんだね。

目覚まし時計が鳴る前に起きるとか凄いよね。

まだ鳴らない目覚まし時計のスイッチを切り洗面所に向かう。

顔を洗いタオルでゴシゴシ拭く。

朝ご飯はどうしようか。

買いだめしている場所を漁って、そういえば食パンなかったねってまた思う。

買いにいかないと。

朝を食べずにまた洗面所に向かい平凡の童顔に化粧をして予備の制服に着替えて髪を整えて……………………

同じことの繰り返しだ。

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