第7話

警察に相談しても無駄だった……そう思うのに時間はかからなくて。



「でも、本当に誰かいるんです」


「つけられるってこと?でもまだ被害はないんでしょ?」


「被害って……、被害がなければ動いてくれないんですか?」


「まあ、見回りは強化するけどねぇ」


「強化って……、見られてるっていうのでもダメなんですか?立派なストーカーです」


「見られてる証拠もあるの?」



ははは、と、まるで聞いていない年配の警察官に、だんだんと苛立ってくるのが分かり。



「足音も同じなんです」


「足音ねぇ」


「私、昔からそういうのに敏感で、ほんとに」



大毅の事があって……。

大毅の姉だからと、狙われた日もあった。



「昔から……随分とストーカーされやすいんだねぇ」



……本当に、困ってるのに。



「っ、もういいです、」


「まあ、いつでも連絡してきて」


「何かをされてから電話をしろって?バカじゃないですか?」



私の言葉にあからさまに不機嫌になった警察官だけど。

失礼なことを言ったのは、向こうだから。

もういいと、警察を出た。



その警察署を出た瞬間、誰かが私を見てきたような気がして。帽子を深く被り、急ぎ足でその場を離れた。




やっぱりいる、誰かが見てる。





でも誰か分からない。



そいつは、私の前に現れない。

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