第42話
そして迎えた卒業式の日、私はクラスのみんなと共謀して、宮っちにサプライズを計画した。
式が終わり、最後のホームルームで宮っちが解散の号令をかける直前、
「
私が叫ぶと、宮っちは不思議そうな顔をする。
「3年間、ありがとうございました!!」
みんなの声が唱和して、それぞれ隠していた桜色の紙吹雪を天にばらまいた。
私のギフトの力でそれは教室中を駆け巡り、目を丸くして驚いている宮っちにみんなで書いた寄せ書きを私が前に出て渡すと、教室中から拍手が沸いた。
まるで夢のなかにいるみたいだ。
爽やかな風にひらひらと乗る紙吹雪。
鳴り止まない拍手。
教室の真ん中に私がいた。
私たちの予想外の行動に、やがて瞳が潤み、肩を震わせ、卒業生の誰よりも号泣した宮っちが叫んだ。
「みんな、ありがとう!! 俺より長生きしろよ、絶対だからな!!」
そう宣言して、私たちは解散した。
最後まで笑顔の絶えない良いクラスだった。
私の卒業アルバムもみんなのメッセージでいっぱいになった。
こんなことは初めてで、私の気持ちも晴れやかだ。
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