第37話

私と陸くんはお土産にカップケーキをもらって、2人で夕方の道を歩いた。

マコちゃんの謹慎は今週いっぱいで終わるらしい。

反省文を提出したら、来週からは普通に出てこられるそうだ。


今日はたくさんのことがあった。

久しぶりの学校。

ギフトの実演。

私を受け入れてくれたクラスのみんな。

新しいギフトの使い方。

マコちゃんとの話し合い。


こんなに嬉しかった日が今まであったかな、ってくらい、私は満たされていた。

だから、油断しきっていたのだと思う。


帰り際、マコちゃんが陸くんに分からないようにちょっと、と呼んだので私はマコちゃんに近付いた。


「晴ちゃん、いつの間に陸くんとこんなに仲良くなったの? チャンスじゃん!」


ひそひそと耳元で話すマコちゃんは嬉しそうだ。


「告白するなら今だよ!」


「こっ、告白!?」


「頑張れ、晴ちゃん」


マコちゃんはぱしぱし、と励ますように背中を叩いてくれた。

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