第4話

「ギフト」は特殊能力だ。


ギフトを持つ人間は人口の数%と言われており、希少価値が高い。

宙に浮くことができる「浮遊」、壊れたものを直す「修復」、動物とコミュニケーションが取れる「疎通」など、ギフトの種類は多岐にわたる。


私は生まれつき「治癒」のギフトを持っている。

といっても能力は弱く、小さな切り傷やすり傷を治したり、打撲の痕を消すくらいしかできない。

骨折や手術が必要な大きな怪我、難病なんかは守備範囲外だ。


ギフトの能力は訓練すれば強化できるわけでもなく、かといってコントロールができないと事故に繋がったり、犯罪に巻き込まれる可能性もあるので、定期的に病院で検査を受けることが義務付けられている。


病気じゃないのに病院に行くなんて変な話だけれど、まだまだ分からないことの多い「ギフト」は、国によっては差別されたり、政治利用されたりするので、権利が保証されているのはいいことかなあと私は思っている。


幸い、私のギフトは長い間暴走せずに済んでいる。

偏見の目は、まだときどきあるけれど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る