第468話
クリスマスが終わった次の日。
私の課題をやるスピードは加速する。
大塚さんが何やら困っているらしいが、申し訳ないが自分で片付けてもらおう。
行き詰まった時は散歩をおすすめする。
外はめちゃくちゃ寒いけど、頭は冷えるはずだから。
沸騰している思考も冷えるはずだよ。
今の私は沸騰していないがやる気に溢れている。
甘いものを食べなくても大丈夫なくらい。
頑張っているのは私だけではない。
お母さんとお父さんも頑張っている。
年末の大掃除が迫っているのだ。
窓の掃除や換気扇の掃除など頻繁に掃除をしない場所を掃除している。
窓を開けて掃除をするからケイは1階から私の部屋に避難。
ベッドの上で丸まって尻尾をパタパタと動かしている。
お手伝いをしたいところだが、今の私はそんな時間はない。
お昼ご飯は昨日の残りもの。
そしてケーキも。
夜は軽めにうどんらしい。
お正月も色々食べるみたいだから胃をここで休ませるとか………………
お昼を食べてからお父さんは買い物に出かけた。
お正月に使う食材を今から少しずつ買うらしい。
今日は冷凍のカニ。
食材購入にお母さんは入らない。
また色々買って冷蔵庫がパンパンになるからだ。
夕方、外を見るとまた雪が降っていた。
冷えるはずだ。
集中が切れるからとスマホを見ていなかったが、今なら見てもいいかな。
そう思ってスマホを見る。
特に連絡はないか………………
みんな年末だから忙しいよね。
大塚さんはあれから連絡こないし、解決したのだろう。
………………。
何か飲もうかな。
1階に降りるとクリスマスの飾りが床にたくさん置かれていた。
「あら、どうしたの?」
「喉乾いた」
「レモンティーあるけど。インスタントのコーンスープもある」
「コーンスープがいい」
お腹に溜まるけど美味しい。
コーンスープを作りながらリビングを見る。
ダンボールの数がそれなりにあるけど、これ全部家の中に入っていたんだよね?
どこに?
納戸の中に入ってた?
「お正月バージョンもやるの?」
「そうだね。飾りはあるからやらないと。縁起物は飾らないとね」
「全部納戸の中にあったの?」
「入ってたよ。奥に」
………………。
納戸の広さってどのくらいだっけ?
何も入ってなかった時がどうだったか覚えてないや。
でも、結構な広さなのは分かる。
コーンスープを持ってまた自室に行く。
椅子に座って雪を見ながらコーンスープを飲む。
あぁ、寒そうだなぁ。
ただ、それだけが浮かんだ。
雪は夜まで降り続いて、朝には一旦止んだ。
雪が止んだら雪かきの作業が始まる。
家の外からガリガリとたくさん聞こえる。
どこの家も雪かきをしているらしい。
「課題はどう?終わりそう?」
「う〜ん。面倒なものは残ってる」
「時間が掛かるものってことか。気分転換に誠也と一緒に雪かきしたら?」
「疲れるから嫌。その後、集中切れると思うの。お母さんは何をしているの?」
お母さんはテーブルの上にチラシを広げている。
「今日の売り出しをチェック中。誠也に言われたの。安いものをチェックしておいてって」
「終わったら買いに行くの?」
「うん。何か食べたいのある?」
食べたいの?
そうだなぁ。
「お菓子」
「お菓子?どんなの?クッキーとかチョコ系なら誠也が作ると思うけど」
「チップス」
「珍しい。あまり食べないのに」
「気分。課題をしながらチップス食べたい。クッキーは休憩中に食べるもので。チップスはしながら食べる」
ながら作業っていいよね。
捗らないって言われているけど。
「よし、やるか」
「頑張れぇ。なんか受験生みたいね。本来なら少しずつやるものだと思うけど。終わった瞬間寝込まないでよ」
「大丈夫。糖分摂取しながらやってるから」
「糖分摂取しても倒れる時は倒れるのよ」
まぁ、そうだけど。
コーヒーを持って自室に行き椅子に座る。
眠気覚ましとして持ってきたコーヒーは砂糖やミルクが入ってないブラックだ。
しかもかなり濃いめ。
これ、眠気覚ましになっているのかな?
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