第68話
真理亜は雪の近くにいるのが耐えられないのか私の隣に座って白ごはんと唐揚げを食べる。
お父さんと光さんの威圧感に耐えられなくなったのだろう。
「真理亜。ポテトあるよ。亜紀が1人で食べてるけど。それ、あなたの分じゃないから」
「んぁ?目の前にあったんだよ」
「だからって、抱えて食うな」
「他の料理は遠い」
「3歩くらい歩くだけが遠いの?年寄りじゃないでしょ」
「これから仕事だからな。体力を温存しておこうかと」
「3歩くらいは体力減らないよ」
あなたの体力はこのくらいで減らないでしょ。
………………。
………………。
は〜ぁ。
私は立ち上がって皿の料理を盛る。
それを亜紀に渡した。
「どうぞ」
「おっ!ありがとな」
亜紀は嬉しそうに受け取った。
「私もポテト食べたーい」
真理亜は亜紀が1人で抱えて食べていたポテトを奪い、今度は真理亜が抱えて食べている。
だから、独り占めにするなって。
「君らは仲良しやなぁ。性格バラバラなのに、なんでそーなん?不思議やわ。前から思ってたん。タイプ真逆やろ」
海は不思議そうな顔で私たちを見る。
「知らん。そんなの。合ったから付き合ってるだけだ。合わなかったら付き合わねぇよ。つーか、お前はなんでそんなに当たり前のように普通なんだよ。もっと、カッチリしろよ。自分の立場分かってんのか?生かしてやってるのに。柚月の部下だったお前を拾ったんだぞ」
「檜佐木。あんなぁ?今更や。俺、そういうのしとーない。普通に無理だっちゃ。まぁ、家の中に入れるのは驚きだっちゃ」
「自分の家族に会わせるとか、マジでおかしいからな」
「そうやねぇ。おかしいっちゃ。檜佐木。俺はなーんもせんよ。もう、折れてるっちゃ。壱夜のこともそうっちゃ。忠誠心とか一緒にいたわけではないっちゃ」
「違うのか?」
「違うっちゃね。そーやねぇ………………家族みたいなもんか、な。似たようなもんだと家族やな。壱夜は本当に難しくてなぁ。何が難しいって接し方が。喜一が作ったからとかじゃなくて、壱夜の本質はそーなんよ。クルクル回る頭でなぁ。もう、部下は必死や。俺は、部下に壱夜の考えていることを指示するんやけど納得しない部下もいてな。それを説得するんよ。その中には喜一の元部下もいるから大変やった。喜一は壱夜の周りを自分の部下で固めたがる。まぁ、化け物を抑止するためだっちゃ。それを、うまーくどうにかするのも俺の仕事でなぁ」
「今日はよく喋るな。酒か?」
「聞きたくなかったんか?坊ちゃん。俺には喋ろと言ってるように聞こえたっちゃ。ん?」
「クソッ………………」
「兎に角、アホなことはしないっちゃ。もう、必要ないっちゃ。俺は切り捨てられたからな。俺の仕事は終わりや。今は、嬢ちゃんの身の回りをお手伝いでいっぱいや。俺は、表に戻るきぃないっちゃ。親にも伝えとる。無理やな。頭の中は裏のことだらけで、表のことができんよ。嬢ちゃんには悪いけど、俺は裏にいたほうが生きてるって感じがするんよ。壱夜の隣にずっといたからなのか。よーわからんが、そん時から感じてはいたっちゃ。あーっ、でも、壱夜のところにいた時よりこっちの方が優しいっちゃよ」
「当たり前だろ。こっちは割と真っ当だ」
「裏に真っ当なんてないっちゃよ。裏は裏や」
家族か。
海には柚月のこと聞いてはいなかったから。
あまり聞くことではないって。
それに、今後のことも。
海は表で生きることが出来ないって決めてしまった。
自分は裏で生きるって。
長年、裏にいると表での暮らし方を忘れてしまう。
海は忘れてしまったのだろう。
「金髪から黒髪に変身か。似合ってませんが似合ってます」
「あの?ちょっと、それはどっちなん?」
「やっぱ、金髪が印象に残る。あと、服装も。カッチリやめたから」
「そんなにおかしい?そんなにダメなの!?」
「隠せてません。全部は無理かなぁ」
「分かってはいるけど、正直に言わないでっちゃ!!」
真理亜もそう思うか。
やっぱ、茶髪にすべきか?
金髪だとアレだから。
ダークブラウンくらいならいいのでは?
「いっそのこと元に戻しては?どうも、その雰囲気は………………」
「えっ?戻るの?俺、なんのためにこの姿になったか分かる?」
突っ込んでいいのか悪いのか。
まぁ、海も楽しそう?だからいいか。
真理亜にたくさん遊んでもらって下さい。
「ところで、なんでヒサ君がいるの?」
えっ?
真理亜。
それは、今更だよ………………
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