第25話

「………でしょう?」


微睡む意識の中で二重で夢を見ているような不思議な感覚。


視界が悪くその姿はハッキリとは見えないけど、きっとお母さんだ。よく知る声がそう確信させる。


「もう………なの。私は……として、……だから」


泣いているの?

どうしたの、お母さん。


「リオに………てしまって……私は……」


あたし?何かしたの?


すすり泣きながら崩れ落ちる母の姿はやっぱり曖昧にしか見えないけど心配で堪らないからあたしは駆け寄ろうと走り出す。


だけど、その行く手を阻むように


「リオはコッチ側だろ?」


ニヤリと歪な笑みを浮かべるあの人。


やめて、退いてよ!

お母さんの所に行かせて!


邪魔しないで……


「ほら、こっち来いよ」


――ヒロ!!!

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