第24話
予想と違う帰宅時間に焦ることはないけど、こうして部屋に入ってくる事には焦る。
目は冴えてるけどあたしが寝起きだと勘違いしてるからかそっと近づいてくる。
「あ、」
「寝てていいよ」
何か喋ろうと声を出すあたしを遮り、額に手を置いて起き上がることを拒んだ。
ベッドに浅く腰を下ろしてタバコを吸う姿が目に浮かぶ。それは音と臭いからしての想像だけど、間違ってはいないと思う。
どうして早く帰ってきたの?と聞きたいけど、ゆっくりゆっくりと眠気がやってくる。この沈黙を終わらせたいのに思考が真っ黒になっていく。
「……おやすみ」
すぅ、と息を吐きだすあたしに一度だけ頭を撫でてきたその影は、多分あたしが起きたら消えてる。
もしかしたらそれこそが夢だったのかもしれない。
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