第21話

嫌だな、早く家に着かないかな。って内心思いながらも本音を隠すことに意識を集中させる。


味方じゃない。味方じゃない。味方じゃない。

呪文のように三度唱えて敵視する。


「あたしは、まだ未成年だから」


「それ言われちゃうと困っちゃうね」


「ごめんなさい」


自分のやっている事を棚に上げてこの人の事を否定するのはおかしな話だけど、そうでもしないと引きずり込まれる。


この人もそれを分かった上で今はやんわりと了承してくれてるけど、いつまで持つか分からない。


いつまでも未成年で居られない。

子供扱いは嫌だけど、大人にはなりたくない。曖昧なままで生きていたいのにいつかは迎える。


その境界線を越えたとき、あたしは墜ちていく。


「じゃあこの辺でいい?まだ仕事あるんだ。今度ごはんでも行こうね。おやすみリオちゃん」


「おやすみなさい」



やっと解放された、と安堵して自宅に逃げ込む。

いつもではないけど、あの人と顔を合わせた途端にあたしはカモ側になるから苦手でしょうがない。

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