第19話

ヤクザはヤクザでしょ?って最初こそは思ったけど、今どきヤクザって肩書だけでお金が稼げるわけじゃない。


肩を切って街中を歩くことは遠い昔の話。

今は金融や風俗業をメインにしてるから、そこら辺の一般人と見分けがつかないし、下手すりゃ隣に居ても不思議じゃない。それくらい街中に浸透してる。


「送ろうか?」


「ううん、平気」


まず全うに生きてたら関わることのない人種。

それに関わっているのはあたしの今があるからで、ヒロ達の所為でもある。


「今日もやってたんだってね?」


「うん」


情報が早いんだか、アッチの仕事が早いのかは知ったことじゃないけど、一仕事終えたばかりのあたしに聞いてくるって事は確認したいんだろう。


確認することがある意味仕事なのかもしれない。


それにあたしが答える必要はないだろうし、余計な事を言うと怒鳴られるかもしれないけど、貰った金額が少なくてムカついたからどうしようか迷った。

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