第17話

いつからこうなったの?と聞かれることもないから思い出す事もないんだけど、やっぱり一人になると色々考えちゃう部分もある。


この街に来たのは高校1の夏。

地元で受験したけど、落ちて定時制に通いながら生活してたけど、引っ越しが決まって暫くして辞めた。通学時間を掛けてまで通いたかった訳じゃないし、前の地元にはあまりいい思い出がないから後腐れはなかった。


それなりに友達と呼べる人間も居たけど……


まぁ、未だに連絡してくる人も居ないし。あたしは終わった人間だから「あぁそんな人間居たね」程度でわざわざ思い出されることもないだろう。


あぁ、でも一人だけ連絡してくる人が居たかも。

自分の仕出かしたことに罪悪感を感じて謝ってくる人が。


それもすぐ終わったけど。

ヒロに携帯を壊されたせいで連絡先はごく少数に絞られた。


今ある手元の携帯は新しく買い渡されたもの。

真っ新な携帯が鳴ることはまずないから必要性を感じない。


本当に欲しい連絡は二度と来ないってわかってる。

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