第13話

「――美人局か!?」


本日二度目のセリフにあたしは溜息を吐いた。


ラブホから出ると待ってましたと言わんばかりに影が出てくる。さっきよりは少数だけど、囲まれれば怖いもんは怖い。


そんな経験したことがないオジサンは狼狽えて財布を出すしかない。


この人は独身で強請るには押しが弱いけど、相手が未成年って時点で悪いという自覚はあるらしい。自覚があるくせに手を出すから、こうなるんだって思い知らされたでしょ?


「た、頼む!その動画は消してくれ!!」


「いいよ。いくらで買う?」


「い、今は持ち合わせはないんだ。言ってくれれば振り込む!」


「その保証がねぇから今すぐにしてほしいんだけど?」


「わ、分かった」


今回のカモは聞き分けがいいのか、素直にお金を出すみたい。近くのコンビニでお金を下ろして影に渡してた。何度も頭を下げて動画の削除を確認すると全速力で走り去る。


その様子を遠くから見てたけど、サツキが苛立ちながらあたしの手を引っ張っていく。

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