第24話

春樹の彼女の麗奈が車に乗ってからの帰り道の車内では高校野球の話で盛り上がった。

「西浜学園。今年の夏の地方大会もシードみたいだね。俺の前の職場の保育園の同僚の瑞希先生の3人いる息子の1番下の息子は2年生になって昨年の大会に続いてメンバーに入っているんだ。だが、高校入学して野球部に入部と同時にエースナンバーを与えると言っていた静岡県にある強豪校への進学を断って、今年からオリックスバファローズに入団した兄さんと同じ西浜学園へと進学したことから、昨年の夏の大会終了後の新チームになって以降もエースナンバーはもらえず、先輩の谷本光がエースナンバーをもらう結果となったんだってね。昨年の秋の大会では県大会ベスト4敗退で、関東大会も県外での開催だったため春のセンバツへの出場は惜しくも逃がす結果となった。チームは2年連続のセンバツ出場はならなかったが、冬の間は夏へ向けて筋トレを重ねたみたいだ。その成果もあってか、春の県大会では昨年のような好成績とはならなかったものの夏の大会のシード権は獲得となったんだ。おまけに、今年入学した1年生には渡瀬克紀という中学生時代に15歳以下の日本代表メンバー候補となった逸材が入部して夏の大会でのエースナンバー争奪戦は激しくなったが、夏も谷本光がエースナンバーをもらう結果となった。監督からの話によると、主軸となる3人のピッチャーは他校だったらエースナンバーを間違いなくもらえる実力だと聞いたね。西浜学園は瑞希先生の3人いる息子の光良君が3年生の時の時代が春のセンバツは初出場となったが、夏は甲子園への出場経験が2度あるという話を聞いている。学校内でも久々に夏の甲子園出場の可能性もあるではとの期待も高いようだ。」

と春樹が言った。

「そういえば今年高校に入学した渡瀬君も他の強豪校からのオファーがあって瑞希先生の息子の光輔君と同様にオファーがあった高校の野球部の監督からは高校入学と同時に野球部に入部したらエースナンバーを与えるとの約束をしていたんだ。だけど、渡瀬君の自宅は西浜学園の近所にある渡瀬精肉店の息子で野球部のメンバー達も、ここの店へコロッケやメンチカツを買いに来る馴染みの店と聞いたね。そういったことから、渡瀬君自身も店に買い物に来る高校生達と同じ野球部に入部したいと強く望んだみたいだと西浜学園の近所に住む住人から話を聞いた。」

と麗奈は答えた。

「そういえば、西浜学園は今働いている幼稚園とは近所で仕事帰りに、ここの肉屋に買い物に行くケースが多い。西浜学園の野球部の1年生の渡瀬克紀の自宅が、ここの肉屋とは初めて聞いた。西浜学園が甲子園へ行けば、ここの肉屋の売り上げも増えそうな気がするね。」

と春樹は言った。

「話は変わるけど。ワタシ、9月に入ったらすぐに試合するんだ。勝てば、東洋太平洋チャンピオンになるんだけど、相手も強いんだよな。とにかく、がんばってベルトを獲得するから。応援してね。」

と貴子が言うと、

「今回の対戦相手。スポーツ新聞でもウワサの選手みたいだな。話によると今回の対戦相手の選手。北海道の旅館の孫娘みたいだな。少しばかり話は横道にそれるけど、夏休みに北海道へ鉄旅する予定で、こちらの旅館に1泊泊まる予定なんだ。見た目が綺麗でネットの動画配信で試合を観戦していた選手だからね。皮肉にも、たかちゃんと対戦かー。今回は複雑だけど、たかちゃんが勝つことを望んでいるから。」

と春樹は答えた。

「はるくんも麗奈さんもワタシがチャンピオンになれるように応援してね。」

と貴子は言った。船旅の帰り道は貴子にとって楽しい夜となった。

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