第74話
夕方まで鉄道記念館の『ふるさと銀河線りくべつ鉄道』で楽しんだ貴子達4人は、夕食は陸別町内の揚げ物がおいしいと有名な店で夕食を済ませると、陸別駅前にあるバス停に向かうと北見方面からバスが到着したばかりだった。しばらくすると、帯広方面からのバスが到着。今まで乗車していた乗客が降りたのと入れ替わりに貴子達4人がバスに乗り込んだ。4人がバスに乗り込んでから5分弱でバスは帯広へ向けて発車した。陸別からの帰りのバスは、既に日は暮れて真っ暗な中での帰路となった。そんな中、
「はるくん。陸別の鉄道記念館では、かなりはしゃいでいたけど。明日も帰りの飛行機の時間まで自由行動の時間帯は行くつもりでしょ。」
と貴子が言うと、
「明日は行っても休みだよ。だいたい、平日のうちの2日間は定休日となっていて、その年によって違うけど今年は水曜日と木曜日が定休日みたいだ。今回の計画。実は昨年から計画を立てていて、昨年の場合は火曜日と水曜日が定休日の設定だったから、陸別には行けなかったんだ。ようやく念願叶ったってワケだよ。」
と春樹は答えた。
「はるくんからのアドバイスで自由行動の旅費が安くできたよ。出発前まで3日目の帰りの飛行機の時間までの自由行動の計画で悩んでいたんだ。そこで、はるくん。私達に合った観光スポットを調べてくれていたんだよ。既に廃線となった路線の駅となった幸福駅や愛国駅を巡っても時間が大量に余ってしまうんで。そこで、はるくんが提案したのは午前中にヨーグルト等を製造している牛乳工場の見学に行ったらどうだとの話だった。だが、明日の工場見学への移動については、工場のある最寄りのバス停まで運行するバス会社が2社存在しており、フリーパス利用での移動では時間の折り合うバスがなく、フリーパスが使えない別のバス会社のバスでの移動となるとの説明があった。だけど、追加運賃は片道で350円と聞いたんで、レンタカーを借りるよりは安くなるみたいだ。これで、職場の同僚への土産の問題も解消された。」
と、ちえみが喜んで春樹に言った。
「そういえば、たかちゃん。クリスマスイブに2度目の日本タイトル防衛戦だったよね。帰ったら、本格的な練習かー。」
と、ちえみが言うと、
「今度の対戦相手の西村江麗奈といえば、高校時代に女子の高校タイトルの選抜大会と国体の2つのタイトルを2年生と3年生の時に2つのタイトルを共に連覇をして女子高校四冠と聞いた。ちなみに、男子の場合は、この2つのタイトルに加えてインターハイが入って3つとなる。過去に、男子では2年連続で3つのタイトルすべてを1人占めして高校六冠を達成した選手がいて、高校卒業後にプロに転向したという事例を聞いた。今度の対戦相手は日本人とロシア人のハーフでメチャ強いと聞いている。とにかく、勝って防衛するのが一番いいけどKOされるなよ。」
と春樹は貴子に言った。
「そういえば、西村江麗奈という名前。谷本みどりから聞いたことがある。私、ボクシングのことについてはまったくの素人ですが、北海道では噂の強豪だったらしい。学年は谷本さんよりは1学年先輩だったみたいで、北海道の苫小牧商船のボクシング部だったと思うよ。」
と麗奈が少ないながらも江麗奈に対する情報を貴子に提供した。
「話は変わるけど、明日は帰りの飛行機の時間まで自由行動の時間。どこに行くつもりなの?」
と貴子が春樹に聞くと、
「明日は帯広から今使っているフリーパスを使って広尾まで行って、ここからJRバスに乗り継いでえりも岬まで足を延ばす予定。そこから帯広の空港に向かって折り返す予定でいる。えりも岬からの帰りのバスは幸福駅前で下車して空港連絡バスへと乗り継げば夜8時10分発の飛行機に間に合うとのことだ。」
と答えた。
陸別からの帰りのバスは貴子達は4人で和気あいあいと話をしながらの3時間のバス旅となった。
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