Case 1 バスカヴィル家の魔物①
3日後の夜――。
屋敷の応接間に、8人が集まった。
容疑者が6人と、語り手である私。
そして、私をここに連れてきた張本人であり、すべての元凶であるドワーフが1人だ。
部屋の中央に歩み出て、ドワーフは言った。
「さて、皆様にお集まりいただいたのは他でもありません。事件の真相をお伝えするためです」
たとえドワーフでも、黒い燕尾服を着ていれば紳士然として見える。
もじゃもじゃの真っ赤な髪をシルクハットで押さえ込み、やはり真っ赤な顎ひげにも手入れが行き届いている。
左の
ドワーフらしさは――泥だらけになって洞窟に住まう粗野な種族という印象は――そこにはない。
腹立たしいほど文明的な姿である。
とはいえ、背丈はヒトの10歳児ほどしかない。
腕や脚のはち切れんばかりの筋肉が、衣服の上からでも分かる。
集まった人々の顔を順番に眺めながら、彼は続けた。
「この屋敷のご当主クロード・バスカヴィル卿を殺害した真犯人は、この中におります」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます