一方の真理奈のデビュー戦は、序盤戦は玲奈と激しく打ち合った。第２ラウンドに入ると玲奈の攻勢になり、真理奈はロープを背負う場面が多くなった。第３ラウンド開始から30秒だった。真理奈の頭が玲奈の顔面に偶然当たるバッティング行為で玲奈は顔面から出血した。コミッションドクターが入り手当てを行ったが、そこの場面で試合は打ち切られ、ＴＤ（テクニカルディシジョン）負傷判定で真理奈は敗れた。試合に負けて、落ち込みながらリングを引きあげた真理奈は、

「今日の試合は、いい試合ができなかった。次は勝てるようにがんばる。」

と言っていた。試合が終わって後ろの席で観ていた貴子はメインイベントに出場した日本女子ミニフライ級チャンピオンの西山梨香が５ラウンドＫＯを決める場面を観戦していた。梨香は、もしかしたら貴子たちの階級に上げて試合をするかもしれないことを検討しているみたいだ。貴子たちにとっては新たなライバルの登場となりそうな予感がした。