第76話
「いいよ、見えても」
「ひゃっ⋯」
顎と首の間辺りにも、唇をよせる男⋯。
「俺のだって、分からせなくちゃ」
「そ、んなとこ⋯」
耳元の裏にも、つけられる。
分からせるって、誰に⋯。
ヒカルに?
「奈都は、俺のなんだから」
ね?
私は、ルイの。
それに対して「うん」と答えた私は、またルイのキスに翻弄された。ルイの甘いキスは、心底私の心を惑わせる。
ずっとしていたい⋯。
「おやすみ、奈都」
頭を撫でられ、ウトウトとしてきた私は、そのまま眠りについた。
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