第75話

それをルイに見せる訳にはいかない⋯。



「あ、たし⋯、体調⋯悪くて⋯」


「うん」


「その⋯」


「大丈夫、しないよ。ちょっとさわるだけ」



ルイは優しくそういうと、今度こそ唇にキスをしてきた。ルイの舌が、中へと当たり前のように入ってくる。

自然と口を開き、舌を重ねてしまうのは、ルイに教えられたから。「もっと舌を出して」とルイの部屋で沢山練習したから。



角度をかえ、深くなるキスに体が熱くなってくる。はっと、息をはくと、またぐっと隙間がないほど塞がれ、ルイの舌が私の口の中を翻弄していく。



もっともっとと、私の舌を求めるようなキスに顔が真っ赤になっていく。

やっと唇が離れ、私のパジャマの襟元を捲り、そこに唇を寄せる。



当然のようにそこへ吸い付くルイ⋯。


ルイにキスマークをつけられるのは、初めてではないから。


キスのせいで軽く乱れた息をはく私に、2個目のキスマークをつける。



そして首筋へ、ルイの綺麗な唇がやってきて。


そこに吸い付く気配がした私は、「そ、こは、見えるよ⋯」と、ルイに言うけど。

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