第74話

昨日のことがまるで夢だったかのようで。

いつも通りの甘いルイが、やっぱり大好き⋯。

だからこそヒカルに抱かれたという罪悪感が、どんどんどんどん増えていく。



本当にこのまま、内緒にしてていいのか⋯。



「⋯かわいい、奈都。本当にかわいい」


「ま、まって⋯、ルイくん」



ベットで横になる私に覆いかぶさるように耳元で呟かれ、ゾクゾクして真っ赤になる私は、咄嗟にルイの服を掴む。



ルイは少し顔を離し、私の顔を覗き込むようにお互いの額を合わせてきた。

近すぎる距離に、ドキドキが止まらない⋯。



「どうしたの?」



どうしたのって。

だって、この雰囲気。

そういう行為をするのかも⋯って。


昨日、ヒカルに抱かれた体。

そして、私の体に痕を残してきたヒカル。



昨日、入浴の時に見た、内ももにつけられたキスマースを思い出す。

あいつ本当に許さない⋯。

そんな事を思いながらゴシゴシそこを念入りに洗ったけど、内出血が消えることはなくて。

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