第73話

次の日、ルイがお見舞いに来てくれた。

学校を休んだ私に、ゼリーやジュースを買ってきてくれたルイは、「昨日よりも顔色はいいね」と言ってくる。



そんなルイは、愛おしそうに私の髪をずっと撫でていた。「辛くなったら言うんだよ」と甘くて優しい笑顔を向けてくれるルイ⋯。




「ルイくん、学校、行かなくていいの?」



お昼頃、ルイにそう言った。

私は正直学校終わりの放課後にお見舞いに来ると思っていた。それなのに朝から来てくれたルイは、「行かないよ」とやっぱり私の頭を撫でる。



まるでルイの匂いを移しているかのように。




「奈都がいない学校に行っても、意味ないよ」



ルイはふれるぐらいのキスを私の額に落とす。そしてそのまま頬へとちゅ⋯と、移動していき。



「看病しにきたのに、こんな事しちゃだめだね」



呆れたように笑ったルイは、そんな事を言いながらキスをし続ける。

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