第59話

「し、んじらんない⋯、どいて!」


私は今度こそヒカルを押し退け、起き上がろうとすれば。


また、ヒカルに肩を掴まれ、私は机の上に押し倒される。



そして、また、鋭い目を向けて私を見下ろすヒカルは⋯。



「まだ、終わってないけど」



恐ろしい事を口にする。




何、言ってるの。



終わってない?


終わってないって⋯。





「さ、さっき、の、分かるよね? 」




そう言った私の声は、酷く震えていた。


鍵、取りに行ったんだよ?


もうすぐここに人が来るんだよ?



ねぇ、待ってよ。

ほんとに、私を、抱くつもり⋯なの?

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