第56話

「感じる声も可愛かったけど、泣き声もいいね。もっと泣けば?」



ヒカルがそう言った直後、指が、3本⋯になったのか。無理矢理押し広げられ、容赦なくバラバラと動かされる指に耐えきれず、「やめてっ」と叫び下半身へと手を伸ばした。



結ばれているネクタイごと掴まれ、「なっちゃん、痛いの好き?」と、聞いてくる。




「濡れてきてるよ?」


「〜っ、も、やめ」


「あ、ほら、今ジワって」


「っ、や、めてよもう⋯!」


「俺の指でイッてみる?」


「いく、わけなっ⋯」


「だよね、3本でイクとか、どれだけ変態なんだよってな」



未だにバラバラと動く指先。


たまにそのバラバラとした指先が、そういう部分にふれれば、自分の中が濡れるのが分かった。



それでも、容姿なく動く指は痛くて。




ぐちゅぐちゅと、下の方で音が鳴る。





その音が嫌で顔を背けた時、遠くから、バタン⋯という音が、ぐちゅぐちゅといういやらしい音とともに耳に入ってきた。

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