第35話

私だけを見てくれるルイは、甘すぎた。

甘すぎて甘すぎて、私の心臓がもたない。




ある日の土曜日、ルイの家に招待された私は、甘い甘いルイにどうにかなりそうだった。




「⋯なつ、違うよ、もうちょっと絡めて」


「んっ――⋯」


「そう、上手」




私の頭を撫でながら、私の唇を塞ぎ、やけに気持ちいい舌を使って私を惑わせてくる。



やっぱりずっと遊んでいたからかして、ルイのキスは凄かった。

ルイの舌が動くだけで、私の背中にゾワゾワとした感覚が襲ってきて。


口の中の上の部分をなぞられた時は、もう死ぬかと思った。




「る、いく」


「ねぇ、奈都」




ベットの上でキスの練習をしていた私に、ルイがまた、甘く呟いてくる。





「奈都の全部、俺にちょうだい」



全部。


全部。





全部ってつまり、そういうことだよね?



体をってことだよね?

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