第33話
「いい子だね」
そう言って、耳にキスを落としてきたルイ。
家の前なのに。家の前なのに。
いつ玄関から家族が出てくるか分からないのに。
「ひゃっ⋯」
耳元で呟かれたゾワとした感覚に、小さな悲鳴を上げれば、「⋯可愛い、ほんと」と、また甘い台詞がルイの口から出てくる。
「る、るいく⋯」
「その声、誰にも聞かせちゃだめだよ。俺のだからね」
形のいいルイの唇が、そう呟いた瞬間だった。柔らかいソレが、私の唇が覆った。
ファーストキスだった。
ルイの唇は、すごく、柔らかく。
ちゅ、ちゅ⋯と、それは何度も角度を変えてくる。
もう体が固まって動けない私は、ぎゅっと目をつぶった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます