第14話

付き合って3ヶ月の記念日の日、私は勇気を振り絞った。女の子と一緒にいるルイに「明日一緒に帰らない?」と。


電話もラインも知らない。一緒に帰ったことがない私は、この台詞を言うのにすごく勇気が言った。




私は彼女なのに、彼女ではない存在。





「いいよ」と言ってくれたルイに、ぱぁっと、嬉しくなったのを覚えてる。


だから次の日、少しでも可愛く見れるように丁寧にメイクもした。朝から髪を巻いたりもした。







一緒に帰ると約束してくれたルイが、その日の放課後の私のクラスまで迎えに来てくれた時は夢かと思った。



ただ、迎えに来てくれてだけなのに。



初めてしてくれた彼女みたいな扱い。





「奈都(なつ)、帰ろう」

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