第15話
下足場で靴に履き替える時も、まだ夢の中にいるんじゃないかって思うほどだった。
「どこ行く?」
だからこうして私の目をみて、‘どこ行く’?なんて言われた時には、心臓が飛び出るかと思った。
「⋯え、あ⋯ど、どこでも」
どこ行く?なんて、寄り道をする言葉なんだから。
だけど私の言葉に顔を傾けたルイ。キョトンとした顔のルイは、今日も日本人離れした人形のよう。
「どこか行きたいから、俺を誘ったんでしょ?」
「え?」
「ホテル行く?」
幸せな気持ちが、一気にどん底に消えていく、
当たり前のように言ってきたルイ。
それは他の女と、当たり前にしてる事。
それを彼女の私にも、同じことを言ってきたから。
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