俺以上。

「浮気性が、ってこと？」

「違うよ、逆」

「逆？」

「あいつ、すごく一途だよ？」

「⋯⋯」

「もし、あいつが、なっちゃんを好きになれば」

好きになれば？

「こうしてなっちゃんと喋ってる俺をきっと殺すよ？あいつ」

意地悪なヒカルの言っていることは、やっぱりよく分からない。

「俺、なっちゃん気に入ってるから、教えてあげる」

にこりと笑ったその男。

「ルイ、やめた方がいいよ？―――あいつは重すぎる」

本しかないその図書室では、美形なヒカルがいるだけで違和感があった。

―――重すぎる。

まだ、私はその意味を知らないでいた。

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