第9話

「えっ、そうなんだぁ、 ごめんねぇ借りて!返した方がいい? あっ、でもぉ、今日あたしんとこ泊まるんだよね?」


「うん、約束したし。行こう」




私を全く、彼女扱いしない。


普通に、浮気する。






勝ち誇ったようにルイの腕に、己の腕を組み直す女は、ルイを連れて私の横を通り過ぎる。






高校2年に上がる前、私はルイに告白した。



その時、「こんな頭おかしい男の、どこがいいの?」って言われた。



私は「背筋」と答えた。




ルイはポカン⋯とした顔をしてから、ふっ⋯と、穏やかに笑った。

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