第84話
もしもお母さんの私に対する態度が違っていたら、
一緒に協力して頑張ろうよみたいなスタンスだったら、生きていくためだと自分に言い聞かせて協力して、私はこんな人生でもそこまで苦にはならなかったのかもしれない。
そうなってないから分からないけれど。
考えてみれば、これは単純に汚れていたものがまた少し汚れたってだけの話だ。
あの家にいる限りなくならないそれに、いちいち落ち込むのもなんだか馬鹿らしいじゃん。
あれから一週間。
私はその間に一度だけまた男の相手をした。
私の日常は何も変わらなかった。
ほらやっぱり。
汚れていたものがまた少し汚れたってだけの話なんだよね。
あ、でも変わったものもあったな。
あの男子校生と同じ制服を着た人にやたらジロジロ見られるようになった。
あの男、一体周りに何を言いふらしたんだ…
でも今までは何となく視線を感じるだけだったのに、今回はなんだか少し違う。
そして今の、家に帰ろうとして駅にいた私の前に三人の男が立ちはだかっているこの状況は一体何なんだろう。
三人の着ている制服はあの男子校の制服で間違いない。
でもこの三人の中に私の知っている顔は一人もいない。
「ねぇねぇ、」と声をかけられて取り囲むような形で私の前に立ったこの人達は一体誰なんだろう。
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