第65話
学年主任が帰ると私はすぐに自分の部屋へ戻ろうとした。
私の部屋の隣に位置するお母さんの部屋の戸は勢いよく閉められたせいで少しだけ跳ね返って隙間が開いていた。
私はそのまま素通りすると自分の部屋へ入ろうとした。
「———頼むよ…」
でも、お母さんの声が聞こえて私は思わず足を止めた。
「え?…うん、何時になってもいいから…」
誰かと電話してる…
「うん、今日はいい。金はいらないから、早く来て…」
お母さんの声はさっきまでとは打って変わってか細くて弱々しかった。
「…わかった、待ってる」
お母さんのその声に、私は止めていた足を再び動かして自分の部屋に入った。
誰か来る…
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