第64話
「だから授業料だってきっちり払ってやってんだろうが!!それ以上に他人のあんたが私に何を求める権利があるんだよ!!!」
その通りだよ、お母さん。
多くを求めちゃいけないよね。
ましてや私のためと言って他人が口を出すなんて、持っての他だ。
ありえないよね。
ついに黙った学年主任にお母さんは、
「帰れよ、鬱陶しい…!!!」
そう吐き捨てるとまた自分の部屋に戻って戸を勢いよく閉めてしまった。
「……」
「……」
私と学年主任の間には重い空気が流れた。
「…まぁこんな感じなんで、面談はやらなくて大丈夫ですよ」
割と普通のトーンでそう言った私に、少し俯いていた学年主任はパッと顔を上げた。
「…また来るから」
「お好きにどうぞ」
大体分かるよね?
絶対何回来たって一緒じゃん。
これの繰り返しじゃん。
それで私がわざわざ聞きたくもないこと聞かされて傷ついて終わりだよ?
コイツは私が前に言ったことを何も分かっていない。
力になれないなら何もしないほうがマシなんだよ。
学年主任は私に気を遣ってか、最後はなぜか笑顔で帰って行った。
私からすればこんな空気になるのももう慣れてるから全然平気なのに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます