第42話

「マジで誰だよ、そんな噂流したの」


「さぁね」


「学年主任信じてた?」


「うーん…どうだろ」



“実際のところ、どうなの?”と聞いた学年主任の声はすごく冷静だったし、まさかそんなことはしていないだろうと思っているのかもしれない。


「噂を鵜呑みにしてるって感じでもなかったけど、でもちゃんと否定した私にもそれはそれでなんか微妙そうだった」


「なんだよ、それ」


実際の私はそれに限りなく近いことはやっている。


てか、これはもうほぼほぼ援交だ。



ただ他と違うのは、その相手はお母さんが呼んでいるということ。


先生達もさすがにそんなことまでは考えもしないだろうけど。



「俺はちゃんと分かってるから」


「うん?」


ガラス越しのハルタはやっぱり私をじっと見ていた。



「エリカはそんなことしないって」



バカだねぇ、ハルタは。


私の何を知ってるっていうのよ。



本当は限りなく近いことやってんだよ?


否定も肯定もできない私は、「ははっ」と小さく乾いた笑いをこぼした。

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